2016年12月31日土曜日

もう1つの本屋の話




こんにちは。古本屋「BOOKBOOKこんにちは」です。
あっという間に12月になり、あっという間に年の瀬です。
毎日バタバタしていて、あっという間に夜になって、朝が来ます。

このブログの更新も全然出来ずに大晦日を迎えてしまいました。
2016年の最後にせめてご挨拶をしたいと思います。

今年は本当にいろんな方にお世話になり、新しいことを始めることが出来ました。
古書市に出たり、週末のマーケットに出たり、本棚も増えて、本当にありがたいことばかりでした。どんな本棚がいいのか考えつつも、結局は自分の好きな本ばかり持って行って、全然売れない日もありましたが、予想外に売れる日もあって、マーケットも委託の本棚も本当にいろいろと勉強になりました。ありがとうございました。

そして、新しく始めたことでまだお伝えしていないことが1つあります。

12月21日、冬至の日にHOOK BOOKS(フックブックス)という本屋をオープンしました。
本棚を置かせてもらっている1988 cafe shozoのすぐ近くです。
「BOOKBOOKこんにちは」の小さな本棚には置ききれなかった本たちを並べるところが出来ました。

HOOK BOOKSの話はまた今度改めてさせて頂きますが、年末年始もやっております。
どうぞお近くに来た際はお立ち寄りください。

HOOK BOOKS
栃木県那須塩原市高砂町6−5−201
12:00〜19:00

インスタグラムも始めてみました。 覗いてみてください。

それでは、皆様。
2016年は大変お世話になりました。
来年はもっとこのブロクを書けるように頑張りたいと思いますので、
どうぞよろしくお願いします!
HOOK BOOKSもあわせてよろしくお願いします!

2016年10月31日月曜日

日めくりカレンダーと手帖! 追記あり




こんにちは。古本屋「BOOKBOOKこんにちは」です。

どんどん寒くなりますね。もう半袖を着ていた頃が思い出せないくらいです。
この町は風がすごく強く吹くので寒さが本当に身にしみます。でもまだまだ寒くなる。ちょっと不安です。

さて、金曜日からついにmmbooksの日めくりカレンダーと手帖を本棚に並べています!!

この日めくりカレンダーは去年本当にアッと言う間に売り切れてしまって、気がついた時には私も手にいれることが出来ず、来年は絶対仕入れてやる!!っと息巻いていた。そんなカレンダーです。

正式名称は「日めくりッコンシャスプランカレンダー2017」です。
コンシャスって何かしら?って思いますよね。『ちいさな気づき』だそうです。コンシャスプラン、つまりちいさな気づきのプラン。
なんだかすごいプランな気がしませんか?一日一枚、この日めくりカレンダーをめくる瞬間、一つは何かを気づけるってことです。それは既に自分で思っていたことかもしれないし、目からウロコな気づきかもしれません。きっとそれぞれの生活で一日にいろんなことがあって、毎日何かしらのコンシャスはあると思うのですが、それがプランニングされているというのがすごく面白いなぁと思います。
読者の方から募ったコンシャスプランもあるそうで、それもまた面白い。いろんな人の気づきを毎日目にして考えたり、何かの行動のきっかけになったり、更に面白いコンシャスがひらめいたり。すごく楽しい一年になると思います。

そして、手帖!「わたしの手帖2017」です。
手帖は今年も「わたしの手帖」を使っています!
これは、なんというか、手帖を超えて(?)、自分帖というか、自分メモというか、名前の通り「わたしの手帖」って感じです。私が毎年使っていた手帖は、1日の時間軸があって、隣にはフリーで書けるスペースがあるというタイプのものです。わたしの手帖はタイプが違うので始めは使い勝手が悪いなと思っていました。でも、mmbooks社長の福太郎さんがボクは、毎日やることを書き込んでいって終わったら線を引いて消している。っていう話を読んで、それいいな!と思い、その方法で使っています。前の日の夜か、朝起きてから、絶対にその日終わらせたいことを書いて、1つ1つ潰していきます。これが結構気持ちがいいのです。
毎月ごとのエッセイも面白くて、アファメーションもついているし、ワークもついているし、一年を通して読めば結構読み応えがあります。
今年のエッセイの見出しを書いてみます。

1月 テーマをもつ
2月 正直に話す
3月 沈黙する
4月 いのちと交流
5月 贈答月間
6月 3G離脱宣言
7月 自分を愛する
8月 安らぎの中で
9月 浄化しよう
10月 生産するわたし
11月 ぷっと笑えること
12月 子どものように

なかなか濃いですよね。

2017年はどの月にどんなエッセイがあるのか?
どうぞお手に取って確かめてみてください。

明日から11月です。
2017年に向けて少しずつ準備を始めたいと思います。


☆追記☆

mmbooksさんよりアナウンスがあり、すでに販売している日めくりカレンダーの中に製本ミスのある商品が含まれているとのことです。
もし、こちらでお買い上げ頂いたものの中に製本ミスのものだろうという商品がありましたら、mmbooksさんまでご連絡をお願い致します。送料なども負担で新しいものと交換してくれるそうです。リンクを貼っておきます。こちら!
どうぞよろしくお願いします。

2016年10月17日月曜日

赤とんぼを歌う人




こんにちは。古本屋「BOOKBOOKこんにちは」です。

先日、福島県会津若松市で行われたBook!Book!AIZUという一箱古本市に参加してきました。古本市に出るのは二回目だったのですが、お客さんもたくさんで、出展者さんもたくさんで、ワイワイ賑わっていいマーケットでした。
いろいろな出展者さんがいらっしゃっていたので、古本屋さんのマーケット出店時の一日の流れが見えたりと勉強にもなった一日でした。古本屋さんってすごいなぁと思いました。
そして、私はやっていることは古本屋だけれども、古本屋とはまたちょっと違う所にいるのじゃないのかと思いながら古本屋に囲まれて本を並べておりました。

そんなマーケットの同じ敷地内でライブが行われていました。
ギターを掻き鳴らし歌う若者たち。あと、アイドルみたいな歌が上手な女の子。
そのアイドルみたいな女の子がノリノリで歌っている中、赤いジャージを来て雪駄をはいたもしゃもしゃの頭の男の人が端っこでノートに何かを書いていました。もしかして、あの人も歌うのだろうか?と思っていたら、アイドルの後にギターを片手にステージに上がって行きました。

菅野創一朗。それが雪駄のお兄さんの名前でした。

秋晴れの青空にすっと吸い込まれていく様な歌声で童謡の赤とんぼが聞こえて来たとき、赤とんぼは会津若松によく似合うなぁと思いました。
オリジナルの曲も良かったし、カバーで聖子ちゃんのスイートメモリーを歌ったのもすごく良かったです。

CDを買ったので、今、家では菅野創一朗がガンガンかかってます。
私が言うのもなんですが、とても良いです。是非聴いてみてください。

菅野創一朗「低体温」



2016年9月5日月曜日

「糸と土」という名前のお店




こんにちは。古本屋「bookbookこんにちは」です。

今日は、新しく出来る本棚の案内です。
今週木曜日の9月8日に「糸と土」という雑貨屋さんがオープンします。

これまで「糸と土」としてイベントに出られていた、かぎ編み作家のCalaliさんと陶芸の室井雑貨屋さんが、実店舗をこの度オープンされることになりました。
お二人の作品だけではなく、那須や名古屋、京都の作家さんのいろんな作品が並びます。
そして、そこにブックブックの本棚も置かせて頂くことになりました。

お二人ともお子さんのいるお母さんということで、しばらく間、オープンは週二日のみでクローズ時間も早めです。
時間に限りのある中で、近所に素敵なものがたくさんある、自分たちが行きたいと思うお店が欲しいという思いから作られたお店です。
なので、本棚も黒磯にあるものとは少し違った雰囲気にしてみようかと思います。
気軽に読めるもの、生活のもの、絵本、料理本など。「糸と土」にいらっしゃる方の生活の中に入っていけるような本を置いていきたいと思います。

素敵なものたちがたくさん並ぶようなので、私もとても楽しみです。
どうぞよろしくお願いします。

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「糸と土」
OPEN 水曜日・木曜日 9:00~15:00

栃木県大田原市山の手2-12-19
tel : 090-4422-0722 / 090-5552-5524
mail : muroi.61572261@icloud.com

Facebook : 糸と土
instaglram : ito.to.tsuchi


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2016年8月19日金曜日

about「BOOKBOOKこんにちは」




こんにちは。古本屋「BOOKBOOKこんにちは」です。
栃木県那須塩原市を中心に場所にこだわらず本棚を置くという形で古本屋をやっています。

一つはお店の片隅に本棚を置く委託型販売。
那須塩原市にあるSHOZO CAFEの服屋さん04storeの1Fと、大田原市の「糸と土」さん内の2カ所に本棚を置かせて頂いています。

☆04 store 1F 11:30〜19:00
栃木県那須塩原市高砂町6−7

☆糸と土 9:00〜15:00 OPEN 水・木曜日
栃木県大田原市山の手2−12−19

もう一つはマーケットに本棚を置く出店型販売。
黒磯駅前で行われている「日用市」、那須町のアワーズダイニングというレストランの庭で行われている「大日向マルシェ」を中心にいろんなマーケットに出店しています。

日用市 9:00〜14:00
黒磯駅広場

大日向マルシェ 9:00〜12:30
アワーズダイニングの庭 那須町高久甲5834−14

小説、エッセイ、雑誌、画集、写真集、絵本など、世界は広いなと思う本、毎日の生活を気持ちよく楽しく豊かにする本を置いています。

下記のSNSにて情報を発信しています。
それぞれ気になるもの覗いてみてください。

☆Facebook(facebook/tentenmountain/)
BOOKBOOKこんにちはのマーケットへの出店情報、新しく扱う新刊についての情報
(tentenmountainのページとなっていますが、BOOKBOOKこんにちはの情報も載せています。)

☆Instagram(@bookbookhellohello)
BOOKBOOKこんにちはの本棚の情報、今日のおすすめ本(ほぼ毎日更新)

☆Blog(http://bookbookhello.blogspot.jp)
本についての読み物、マーケット情報


READ MORE BOOKS!を合い言葉にいろんなところに本棚を持って行きます。
どうぞよろしくお願いします。

2016年7月19日火曜日

Now, I'm reading this book. 6




こんばんは。古本屋「BOOKBOOKこんにちは」です。
ついに梅雨は開けたのでしょうか。今日の夕立はすっかり夏の夕立でした。

最近、読んだことのない作家の本や勧められた本を読んでいます。そんなわけで、初めての作家さんの本をたくさん読んでいます。どの本も面白いです。

今は、ものすごく有名な古典文学、マーガレット・ミッチェルの「風と共に去りぬ」を読んでいます。今からちょうど80年前に出版された長編小説でアメリカの南北戦争の頃の話です。

私の両親は、ともに読書家で小さな頃から本が生活の中にある暮しでした。そのおかげで私は小さい頃から本の虫でした。でも、これまた小さな頃から偏屈で両親に勧められた本を素直に読むような子どもではありませんでした。そのせいか、児童書はほとんど読んでいません。有名どころの古典もほとんどと言っていいほど読んでいませんでした。古典を読み始めたのは二十歳を過ぎてからです。本当に素直さのカケラもない子どもでした。

そんな私が、なぜ「風と共に去りぬ」を読み始めたかというと、少し前に本好きのご夫婦と話をしていた時に、「風と共に去りぬ」が面白いという話になったのです。
へーっと思いました。それまで、本の話をしていて、なんとなく好きな作家の傾向が同じだったので、ここで「風と共に去りぬ」が出てくるとは思わなかったのです。映画も有名ですが、私は映画も見たことがないです。「風と共に去りぬ」かぁ…。と思いながら、なんとなく外国の作家のものは短編ばかり読んでいたのですが、もう一度「風と共に去りぬ」は面白いという話題になりました。
何が面白いかというと人間関係が面白いというのです。南北戦争前の南部といえば奴隷制度がまだあった頃です。奴隷といえど、大きな農園を持っている一家の奴隷となると相当なプライドを持っていたとか、プアホワイトと呼ばれる奴隷を持てないような白人を奴隷たちは見下していたとか。一家の主人、子ども、それぞれの奴隷との関係性。北部の人間をヤンキーと呼んで軽蔑していること。男尊女卑の社会。それを疑問に思わない女の子たち。まだ本当に読み始めたところなのですが、すでにかなり興味深いです。

差別をするのが当たり前の世界。差別し、見下し、受け入れない。例外はない。

19世紀までは村の規範に従うのが一番重要なことで、普通の人の人生に目標を立ててそこに向かって努力するというものの考え方なかったそうです。そういった考え方が出て来たのは20世紀になってからだ。という記事を読んだことがあります。

「風と共に去りぬ」は、全ての人が夢を持ってそこに向かうことが出来るということを知らない世界から話がスタートしています。

この本を薦めてくれた人が、奴隷解放を謳い南北戦争が行われ、奴隷は解放されたが、それが当時の奴隷たちにとって本当に良かったことなのか一概にはいいとは言えないと思う。と言っていました。

80年前に書かれた「風と共に去りぬ」、まだまだスカーレットがのんきに饗宴で男性に囲まれつつ、好きな男性のことでやきもきしているところです。これから、スカーレットの人生、そしてアメリカに何が起こっていくのか。そして、読み終わった時、自分がどんなことを思うのか。楽しみです。思いのほか長編なので、夏の間ずっと読んでいると思います。

みなさんも、Let's enjoy summer reading!夏の読書を楽しんでくださいねー。

2016年6月14日火曜日

サラダ!サラダ!サラダ!





こんにちは。古本屋「BOOKBOOKこんにちは」です。

今日は「サラダの本」の話を。
エムエム・ブックスから出たばかりのささたくやさんのレシピ本です。

その名の通り、サラダについての本です。
サラダだけではなく、スープとスムージーのレシピもあります。
ローフードと呼ばれる、食材を生のまま食べる、加熱調理しない料理のレシピ本で、見開きにシンプルで美しい写真と、その料理についての短いエッセイ、そしてレシピが載っています。食材は身近なものもあるし、普段はあまり手に取らないものもあります。この本を読むまで、サラダは野菜を切ってお皿に盛って、ドレッシングをかけて終わりって思っていましたが、今まですごく損をしていたのかもしれないと思いました。

前も書いたのですが、私は家族が食べる分のお菓子を作るだけで、普段料理をしません。
そんな私の為かのような「料理をしない料理教室(ワークショップ)」という章があります。これが面白いです。料理ってフィジカルな感じがすごくするのですけど、こんなにロジカルにしちゃうんだっていうのと、その中でも、やっぱりフィジカルなのねっていう感じが面白かったです。感覚だよ!ひらめきだよ!驚きだよ!感動だよ!とすごくさささん自身が楽しんでいる感じがします。

昨日の朝、スムージーを作って飲んでみました。
出来立てのスムージーを飲んだら、なんだか体がちょっと驚いて、そのあと笑った感じがしました。なかなかいい感じです。

※ささたくやさんの「サラダの本」は、BOOKBOOKこんにちはの本棚で絶賛販売中です!!

2016年5月21日土曜日

SALT AND PEPPER




こんばんは。古本屋「BOOKBOOKこんにちは」です。
夜は少し冷えます。そんな中、カエルが鳴いています。初夏ですね。

今日は本のことではない話を。
前回ちらっと書きましたが、Tomomi Takashioの展示の話です。

GRIGOという韓国ソウルにあるギャラリーで、Tomomi TakashioとByoug Koo Jeonの2人展"SALT AND PEPPER"が昨日から始まりました。

韓国人アーティストのByoug Koo JeonさんとTomomi Takashioの日常をテーマにした絵たちが並びます。2人の絵のテイストは結構違ったものです。その2人の絵が一つの空間に並びます。絵を観ながらぐるっと一回りすると季節を一周したような気がします。とてもいい展示だと思います。

そんな訳で、会う人会う人に観に行ってくださいと言っているのですが、なんせ私が住んでいるのは日本で、会う人というのも日本に住んでいる人な訳なので、なかなか難しいのですが…。
これを読んでくれている人はどこに住んでいるのでしょうか?
もし興味があって、時間があって、少しお金もあったら、ソウルへ飛んでこの2人展を観て来てください。
韓国はご飯もおいしいし、今の季節は旅行にいい時期なのだそうです。

SALT AND PEPPER
Byoug Koo Jeon, Tomomi Takashio

2016 5/20〜6/18
TUE-SAT_11:00-18:30

GRIGO GALLERY
2F Nonhyunro 158 Gil 8 Gangnamgu,
Seoul, Republic of Korea

TEL_+82-70-7570-3760
E-MAIL_grigogallery@naver.com


2016年5月14日土曜日

最近のこと




こんにちは。古本屋「BOOKBOOKこんにちは」です。すっかり初夏らしい感じですね。
なんだかバタバタとした日々が続いて、週に一回更新しようと心に決めたのに、実行出来ず…。が、しかし、また何度でもチャレンジすればいいのだ!と思ってみたり。過ぎてみるとなぜバタバタしていたのかもわからず、気づけば5月も半ばです。呆然としますが、どんどんといろんなことが迫ってきて、呆然としている暇はないのです。

という訳で、最近のこと、これからのことをまとめて。

とてもビックニュースなのに、Instgramに載せてこのブログに載せるのをすっかり忘れてしまっていたのですが、本棚が引っ越しました!
引っ越しといってもSHOZO内です。1988 cafe shozoの建物の少し奥にある同じSHOZOのお店で04という服屋さんの一階スペースに移動しました。

移動して3週間くらい経つのですが、前の場所よりスペースが広く落ち着いて本を見れるのか、売り上げが伸びております。本当に嬉しいです。
直接お礼を言うことが出来なくて恐縮ですが、「BOOKBOOKこんにちは」で本を買ってくださった皆様、本当にありがとうございます!前の場所の時も、本が売れるということは、もちろんすごく嬉しいことなのですが、小さなスペースで並べられる本はやはり限りがあって、結構頭を悩ませながら本を選んでは並べ、入れ替えてみたりなんだりとしていて、それがどんどん売れていくということは、思いのほか嬉しいものなのです。本当にありがとうございます。これからも気合いを入れて本棚作りしていきます!

そして、最近というか、昨日のことですが、マーマーマガジンで御馴染みのmm booksさんの本をたくさん並べました!
本が動くということは、こんなことも出来るのですねー!っという感じでドキドキしつつも何種類か並べさせていただいてます。栃木県北のマーマーガール&ボーイの皆様、見に来てくださいね!

さて、次は、今週の日曜日のことです。明日です!
黒磯駅の日用市に出ます!前回、前々回と出れなかったので、久しぶりです!
本をたくさん持っていきます!テントも買って、気合い十分です!
天気も良いらしいので、是非みなさんお散歩がてら覗きに来てください!

最後にもう一つ。「BOOKBOOKこんにちは」のことではないのですが、一緒にtenten mountainをやっている高塩友美が韓国ソウルのギャラリーで二人展をやることになりました。GRIGOという以前個展をやったギャラリーに声をかけてもらって、韓国のアーティストと日常をテーマにした二人展です。詳細は後ほど!

最近私の周りは、季節の変化と同じくらいめまぐるしいです。
日々いろんなことがあって、嬉しいことも悲しいことも、楽しいことも面倒なことも同じくらいあって、面白いです。
本もたくさん読んでいます。また読んでいる本のことも書きたいと思います。

以上、最近のことでした!
良い週末を!

2016年4月9日土曜日

What's NIMBY???




こんにちは。古本屋「BOOKBOOKこんにちは」です。
もう本当にすっかり春ですね。桜が満開で街のあちらこちらがピンク色で奇麗だなぁとウキウキしながら走ってます。(ちなみに車でです。)

最近、まじめに世の中や本のことなどを勉強していて、そうすると、知らない言葉がどんどん出てくるので、それを一つ一つ調べる訳ですが、例えば、インターネットで調べると、当たり前のようにWikipediaなどで出てきます。結構、びっくりします。私の知らないところで、こんな言葉使ってたのかい?って。私の生活にはこれっぽっちも出てこなかったよ!って。その一つが「NIMBY」です。ニンビーと読みます。(初め、ニンバイかと思った。)

NIMBYとは、「Not In My Back Yard」の頭文字をとったものです。日本語に訳すると、「自分の裏庭・近所以外なら」です。施設の必要性は認めるが、自らの居住地域には建てないでくれ。と主張する住民たちやその態度を指す言葉。だそうです。

こんなに外来語が盛んな日本でNIMBYという言葉が耳に入らないのはなんでだろう?という話はさておき、この言葉、反対の意味ならすごくいいのにと思いました。調べたら対義語で「YIMBY=Yes In My Back Yard」というのがありましたが、YESぐらいじゃなくって、Welcomeくらいの、「WIMBY=Welcom In My Back Yard」があったら最高だよなぁと思って、そこで思い出した本があります。

ソーヤー・海さんの「都会からはじまる新しい生き方のデザイン」です。
本棚NEWSでもちらっと書きましたが、これはパーマカルチャーの本です。パーマカルチャーって何かっていうと、まず、この聞き慣れないパーマカルチャーという言葉、これは「permanent(永久の)」と「agriculture(農業)」をくっつけた造語で、1970年代半ばにタスマニア島の大学で生物学を教えていたビル・モリソンとその教え子だったデビット・ホルムグレンの二人が考え出したシステムのようなものです。
パーマカルチャーは「人間にとって恒久的に持続可能な環境を作り出すデザイン体系」とモリソンは言っています。デザイン=モノとモノとの関係を適切に配置すること。

パーマカルチャーは生活のあらゆるものに関係していて、説明しだすと一日が終わってしまうと思うし、私もパーマカルチャーを知って間もないので、うまく説明も出来ないのですが、パーマカルチャーの3つの倫理というのがあって、それをちょっと抜粋させていただきます。(他に5つの態度、10の原則があります。)

☆Earth Care 地球の存在なしに、人間は存在できない。
☆People Care 自分の近くの人々、遠くの人々、未来の子孫にも配慮しよう。
☆Fair Share 自然がもたらす豊かな恵みを、公平に分かち合おう。

なんだか、これを読んだだけでもパーマカルチャーって素敵なことじゃん!って分かると思います。ネイティブ・アメリカンみたい。たぶんもっとずっと昔の日本の暮しだって、こういう倫理のもとに営まれていたと思います。

この本、本当にいろんなことが書かれていて、農のこと、食のこと、DIYだったり、コミュニティだったり、コミュニケーション、瞑想など、生活のありとあらゆることが詰め込まれていて一気に読むにはお腹いっぱいになってしまう本です。私は、気が向いた時にパラパラめくって、その時気になった項目を読んで自分の生活に反映させてみたり、はたまた、へーっと思って終りだったりいろいろです。自分の出来る範囲で出来る事からというのが、パーマカルチャーのスタンスだと思います。

と、いう訳で、私は、パーマカルチャーな人や事、施設がWelcom In My Back Yard!!!!!!です!!!

長くなりましたが、それが言いたかったです。
NIMBYという言葉をこのまま日本で聞くとこなく(そういう事態は至る所にありますが)、WIMBYというような考え方と生活、コミュニティが広まるといいなぁと思います。それで、私もそう思われるような本屋になりたいです!



※ ソーヤー・海さんの「都会からはじまる新しい生き方のデザイン」は1988 cafe shozo内の古本屋「BOOKBOOKこんにちは」にて買うことが出来ます。ご近所で気になる方は是非見てみてください。

2016年3月29日火曜日

昔読んだ本と再会する




こんにちは。古本屋「BOOKBOOKこんにちは」です。
すっかり春らしくなってきましたね。コートなんてもう着ることもなく、身軽に移動出来る喜び!春が好き!です!

最近買った本の中に、「売男日記」という本があります。ハスラー・アキラさんという売春夫を生業としていた人の日記のようなエッセイで、2000年初版の本です。私はこの本を出てすぐに読みました。よく覚えています。しかし、それっきり読んでないので、16年ぶりの再会です。


その頃、私は新大久保にある学校に通ってました。今みたいに新大久保は綺麗じゃなくって、韓流ブームも来てなくって、ただの韓国人街という感じの街でした。私の通っていた学校は、比率で言えば日本人が一番多かったけど、沢山の国の人がいる結構何でもありなユニークな学校でした。


歩くのが好きな私は、新大久保から新宿までよく歩いていたのですが、その途中の道も今みたいに綺麗じゃなくて、道路はゴミだらけで、なんだか分からないものがたくさん落ちていました。ラブホテルもたくさんあって、その近くには「立ちんぼさん」と呼ばれる人がたくさんいたし、ゲイの人も、ドラッククイーンの人もいたし、当たり前のように道のちょっとしたスペースには段ボールがあり、ホームレスの人がいたし、この人正気じゃないんだなって人もいました。そして、そのまま歌舞伎町に足を踏み入れば今よりもっと露骨に夜の暗い闇の世界がじっとりとあった気がします。
おおっぴらには話さないけど、友達の友達がいなくなったとか、あそこは本当に近寄ったらだめだとか、私がいる明るいのんきな世界とはまったく反対の世界のすぐ近くでたくさんの時間を過ごした時期がありました。

私は、本当に基本的にハッピーな人間で、暗い怖いことには近寄りません。私にとって売春はどちらかというと暗い怖いことの一つで、売るのも買うのも経験はありません。
でも、この本は売春夫の日記なのに、暗くも怖くもありません。それどころか、ハッピーで希望に満ちあふれています。読んだ後、幸せな気分にすらなります。

彼は売春という仕事を好きで、価値のある仕事をしていると自分の仕事を誇りに思っています。どういう思いで仕事をしているのかを、丁寧に書いていて、仕事をしている上でのダークな部分はほとんど書かれていません。そして、文章の至るところに優しい眼差しが見えます。彼の写真が載っているので、彼がどんな顔で笑うのかを私たちは知ることが出来ます。彼は、とても優しそうな人です。お客さんとのエピソードはどれもなぜか切なくて泣きたくなるものばかり。なんでだろうかと考えてみると、彼が人間というのはみんな誰でも寂しい存在だと思っていること。そして、彼はそれを慈しみ癒したいと思っている。彼の仕事であるセックスを通して。


私が歩いていたあの頃の新宿の街は、私がとても若かったからそう見えたのか、実際そうだったのか、今と比べるともっと混沌としていました。
でも、この本を読んでからは、危険で汚いどうしようもないだけの街がキラキラとしたものに見えました。彼が、勇気と希望を持って愛を伝えている街だ。そう思って、若い私は新宿の街を、そして、そこにいる全ての人をなんの曇りもなくそれぞれの人生を生きている人としてみることが出来たのだと思います。

今住んでいる街で、この本を読んで、あの頃の私を思い出すとなんだか分からないけど、なんとなく切なくなります。
今でも新宿は好きな街の一つです。若かった私をすみっこに置いてたくさんのことを見せてくれました。痛いことも、辛いことも、悲しいことも、怖いことすら新宿が飲み込んでくれた気がします。だから私は、怖いものなしでぼんやりとあの街を歩くことが出来たのでしょう。たくさんのどうしようもないことは全部新宿が受け入れてくれていました。今はどうなんでしょうか。新宿から遠くにいる今の私にはもう分かりません。

そして、もう一つ、気になること。

16年前より、世界は、私の好きな街は、愛に満ちているでしょうか?
久しぶりにこの本を読んで、彼がみた夢を思い出しました。

2016年3月19日土曜日

雨の古書市



こんにちは。古本屋「BOOKBOOKこんにちは」です。

今日は、古本屋として初めて古書市に参加してきました。あいにくの雨でしたが、真っ白なビニールシートやらテントやらが張られて、あまり雨も気にならなくのんびりと本を並べさせて頂きました。まぁ、しかし、雨ということで、あまりたくさんのお客さんには会えませんでしたが、直接お話出来て、本を買って頂いてという、その感じ全部がとても楽しかったです。本当にありがとうございました。

エプロンをつけた近所のご婦人がいろいろと本を見てくれて、最後に「きょうの猫村さん」を家事の合間に読むわ〜と言って買っていってくれたのが、今日の一番嬉しかったことです。漫画なんて読んだことないけど、これは読めそうね〜。なんだかなごむわ〜。と言って買ってくれました。本当に嬉しかったです。

4月には黒磯駅前の日用市にも参加します。いろんな人に会えるのが楽しみです。

さてさて、世の中は三連休ですね!お休みの人はのんびりエンジョイ楽しんでください!お仕事の人もお仕事エンジョイ楽しみましょうー!(私も仕事!がんばれ私!)

2016年2月27日土曜日

進化することと、変わらないこと




こんばんは。古本屋「BOOKBOOKこんにちは」です。
今週はなんだかすごく寒かった気がします。雪も降りました。もう春だなと思ってから本当に暖かくなるまでが意外と長いと、毎年このくらいの時期に思います。

今週は、近いところから、遠いところといろいろな所へ行きました。
いつもとは比べ物にならないくらい、いろんな人といろんな話をしました。初めての人とだったり、顔見知り程度の人とだったり、普段腰を据えて話すことのない人だったり、友達とだったり、本当にいろんな人と話しました。そして、いろんなやりたいと思っていることが、実現に向けて動き出したり、形になってきています。自分で何かをやろうと考えて、動いて、それが形になるということは、とても面白いです。
やりたいことは、まだまだ山のようにありますが、少しずつ形にしていきます。

今、ちょっと放置ぎみになっていますが、tenten mountainのFacebookも来週あたりから面白いお知らせが出来るはずです。


全然本のこと書いてないので、最後にちょこっとだけ。

昨日発売になったrelaxをさっき本屋で買ってきて、今、最初から最後までさっと見たのですが、大好きだったrelaxがいなくなった時と変わらない感じでひょこっと帰ってきてくれた!っていう感じです。(ちょっと寄ってくれたっていう感じか?)
新しい、でも変わらないrelaxを読むことが出来て、本当に嬉しいです。

表紙の右上にこう書いてあります。

「やあ、みんな元気だった?」

私の答えはこうです。

「元気だよ。君は相変わらずだね。」

2016年2月19日金曜日

リングへあがる




こんばんわ。古本屋「BOOKBOOKこんにちは」です。
最近はだいぶ暖かいですね。夜は寒いけど、昼間暖かいので嬉しいです。

最近、興味がなくきちんと読んだことがなかったけど、改めて読んだらすごく面白いなぁと感じた本を何冊かまとめて読んでいます。その中の一つに石井好子さんのエッセイがあります。1922年生まれ、戦後サンフランシスコで音楽の勉強をしてパリでシャンソン歌手として暮し、日本に戻ってからも歌を歌い、エッセイも書かれていた石井さん。有名な「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」は、いろんな本屋で見たし、友達の本棚でも見たし、図書館でも見かけました。表紙がセンス良くかわいいから手に取るけど、料理のエッセイだし(前回も書いたけど、料理にさほど興味がありません)、なんとなく古くさいような気がしてぺらぺらめくって、すぐ元の場所に戻すということを何度も繰り返していました。

でも、ある日、「私の小さなたからもの」という本を手に取ります。いつものようにさほど関心もなくぺらぺらめくった時、ある一つのエッセイに目が止まりました。「誰もいない舞台」という題です。とても短いエッセイで、石井さんにとっての「舞台」がとても素直に書かれています。これを読んで、私は石井好子さんという人を誤解していたんだなと思いました。

舞台に上がる人間の気持ちは、舞台に上がる人間じゃないと理解出来ないでしょう。私には、きっと正確にその気持ちを理解することは出来ないと思います。私は舞台に上がり何かを披露する人間ではないからです。私は舞台を見上げる人間です。お芝居にもコンサートにも行きます。そうしていろんな舞台を見て、ある日、ふと思ったことがあります。舞台に立つ人間は、舞台を見る人間、全員を相手にしているなと。どこにも逃げれない。立つ人間と見る人間は対等ではないんだと思ったのです。見ている方は、舞台が面白くなければ席を立つこともできます。その気になればヤジを飛ばすことも出来るし、あくびをして眠り込むことも出来ます。でも、舞台に立つ人間はその場から逃げ出すことは出来ません。(ここにお金というものが入ってくるから対等な関係のように見えるけど、全然対等じゃないです。)
この「誰もいない舞台」を読んで、対等ではないと思ったことがあったことを思い出しました。そして、なんで対等じゃないかがよく分かりました。

石井さんはこのエッセイの中で、自分がボクサーのようだと書いてます。リングにあがり戦う相手は自分の心だと。舞台の上に立つその目の前には、舞台を見ている人間はいない黒い海だと。

このエッセイは、舞台の上という華やかな世界で自分を相手に戦っているのよ。ということが主題ではありません。舞台に立つ側と見る側の「舞台」という存在に対する立場の違いです。双方にとっての「舞台」というのはそれぞれ全然別のものなのです。舞台に立つ人間が見ているのはリングの上の風景。向かい合っている相手は自分なのです。双方が対等なはずがありません。見ている風景がお互いまるで違うのです。
石井さんは見る側の人に、舞台に立って歌ってればいいのでしょ。羨ましいわ。と言われ傷ついたと書いています。本当にすごく短いエッセイなのですが、その傷ついた心を静かに、とても正確に書いています。

実は、「舞台」というのは日々いろいろな場面で用意され、私たちは気がつかないところでその舞台に上がっているのではないかと思います。舞台というリングに立ち自分自身と戦っている瞬間が、生活の中にたくさんあると思います。でも、それはリングに立った自分にしか分からない、観客には分からないのです。だから、たとえ勝っても拍手喝采はありません。

石井さんのエッセイには、とても豊かな生活が書かれています。これは、リングに上がり戦った人だからこそ感じることだと思う、そんな豊かさです。羨ましいなと思う私は、まだまだリングで戦う必要があるのでしょう。だから私は、誰にも気づかれなくても、一人、リングへ上がろうと思います。そして、いつかリングを降りた時に見える風景が、石井好子さんが見た風景に近かったらいいなと思います。

2016年2月12日金曜日

家に帰るということ




こんにちは。古本屋「BOOKBOOKこんにちは」です。
朝夕は寒いですが、日差しは春めいてきたような気がします。暖かい。この街の梅もそろそろでしょうかね。

先日仕入れた本の中で「もう、家に帰ろう 2」という写真集がありました。写真家、藤代冥砂さんが撮る家族の写真集です。

私が藤代冥砂さんの写真を初めて見たのは、西葛西の図書館でした。
図書館通いは私の習慣で、どの町に移り住んでも住民登録を済ませた後すぐに図書館の貸し出しカードを作りに行きます。西葛西に住んでいた時期はヒッピーとかビートニクとかそういう本ばかり読んでいて、旅に出たいとか、島に行きたいとか、人生ってなんだ?とか、生きるってなんだ?とか、そういうことばかり考えながら会社員をしてました。
ある日、図書館の旅の本のコーナーで藤代冥砂さんの「ライドライドライド」を見つけます。パラパラと中を見て女の人の裸の写真だなと思ってから、ちょっと文を読んで、借りたような気がします。ずいぶん昔のことなので、もはや借りたかどうかは覚えていません。でも、いろんなアジアの国を旅して、その国の女の人を買って写真を撮る。そういう写真家の人だというインプットは西葛西の図書館でされました。この時、嫌悪感はありませんでした。これも一つの表現手段だとかそういう風に思ったからではなく、相手の女性ときちんと向き合っている感じがしたからです。

その後、私は国立の図書館で藤代冥砂さんの「もう、家に帰ろう」を手に取ります。初めてこの本を手に取ったときは、藤代冥砂さんの写真集だということより、モデルの田辺あゆみさんの写真だというところから入りました。全部見終わり、幸せそうだなぁと思って、表紙をもう一度見た時、「写真=藤代冥砂」という字面で「ライドライドライド」を思い出しました。向き合う相手が女性というところは変わってないけど、一晩を共にする女性たちから、たった一人の愛する女性へというものすごく大きな変化。あぁ、すごいなぁと思いました。私が行っていた国立の図書館は分室だったからか、そんなに広くなかったので、本の数も少なかったです。でも、この本があったからよく行きました。しつこいくらい借りては返し、借りては返しを繰り返していました。しばらく日本を離れることが決まっていたので、荷物を増やすことが出来なかったのです。天気が良い日にばかり行っていたのか、気持ちのよい光がいつも入っていた本棚の風景がこの写真集と一緒に思い出されます。とてもいい思い出です。

そして、今、自分の家で「もう、家に帰ろう 2」を読んでいます。出版されてすぐに一度目を通したとは思うのですが、それ以来5年ぶりに見ることになります。お察しの通り、「もう、家に帰ろう」の続編で、息子の龍之介くんのエコー写真から始まります。

5年前は、私はまだ東京で暮らしていました。ずっと暮らすつもりのない街で暮らすことは、なんとも宙ぶらりんで無責任なことだなぁと、今は思います。あの頃、私は寄り道をしているようなそんな感覚で東京にいた気がします。どこかに行きたいけど、それがどこだか分からないような、行くところは分かっているけど、すぐ行きたくないというような。そんな感じでした。でもある日、思い立って生まれ育った街へ戻ります。「もう、家に帰ろう」という心境だったかと聞かれると、全然そんなことはなかったです。

「ライドライドライド」では、母国を離れ知らない土地で、知らない女と寝てた男が、「もう、家に帰ろう」と愛する人に帰って行く。この「もう、」に、たどり着いた幸せがこの本全てから感じられます。「もう、家に帰ろう 2」は、そのたどり着いた場所から、更に幸せな場所へと歩んでいくその日々が写されています。幸せって限りないんだなって思います。
そして、写真にはそれぞれ一言二言の言葉が添えられています。
例えば、それはただの説明。場所と時。その時の状況。または、その時(か、その写真を見た時)思ったこと。その言葉の一つ一つが、写真に写る風景をぐっと夢の中のような幸せな風景にしています。言葉がなくても、そこに写っているのは幸せな風景なんですが、それが確かに、間違いなく、唯一無二の幸せなのだと、その言葉は私たちに分からせてくれます。写真はすごい。そして、言葉もすごい。そう思います。

さて、私の人生はまだまだ「ライドライドライド」あたりをうろうろしています。言わずもがな女も男も買ってませんが、もう帰ろうと思う場所はまだ見つかっていません。いつか、「もう、家に帰ろう」そう言って、愛する人へ帰る日がくるまで、私は今日も本を読みます。(本屋ですからね。)久しぶりに復活した図書館通いの習慣も私の読書欲を刺激してます。本の海を泳ぎ、今日もいろんな言葉の波に乗ります。そして、一日が終われば、今の自分の家へと帰ります。本当のところ、今も十分に幸せなのです。

2016年2月4日木曜日

作ったことのない料理を作ってみる




こんにちは。古本屋「BOOKBOOKこんにちは」です。
先日、初めて味つけ卵を作ってみました。
世の人々は味つけ卵を母親や祖母など、台所を仕切っている人から習うのでしょうか?
私は、本から習って作ってみることにしました。

私はあまり食に情熱がないので、とりあいず食べられればいい。最悪食べない。という人間です。なので、ささっとある物で何か美味しい物を作るということは、少し遠い世界です。しかし、もちろん美味しいものは大好きですし、食べる物で人は出来ているのも知っているし、美味しいものは、美味しいというだけですごい価値があることも分かるので、美味しいものが作りたいなぁとたまには思う訳です。

そして、今回、私が美味しく作りたいと思ったものは味つけ卵でした。味つけ卵が好きなんです。ラーメン屋さんに行ったら大抵味つけ卵が乗っているものに目が行きます。駅のおにぎり弁当も味つけ卵だとテンションがあがります。味つけ卵があったらご飯のおかずはそれだけでもいいです。味つけ卵って本当になんだか、良いですよね。あのころんとしたフォルム。しっかり染み込んだ証のなんとも言えない薄茶色(?)。よだれが出ます。

そんな味つけ卵から、本の話です。
世の中には料理本が本当にたくさんあって、大抵の本屋さんには料理本コーナーがあり、新しい料理本もどんどん出ています。当たり前なのですが、レシピ通りに作るとすごく美味しく出来上がります。なんだかそれだけで、料理本ってすごいと思います。美味しく作れる分量、手順、ポイントが書いてある本。本当にすごいと思います。

しつこいですが、私は料理に対して情熱的な人間ではありません。なので、そんなにたくさんの料理本は持ってません。ですが、たまには料理本を見て料理をすることもあります。
今回の味つけ卵は、高山なおみさんの「料理」という本を見て作りました。きちんと材料を計って、タイマーを使い作りました。すごく美味しく出来ました。

高山なおみさんは料理家でもありますが、文筆家でもあります。この「料理」という本には、レシピの他にたくさんの文章が入っています。エッセイのような少し長めのものもあるし、詩のような短い文章もあるし、レシピの始まりに書かれたその料理の短い説明の文章。そして、作り方の文章。それぞれとても素敵な文章です。印象的なのは、作り方の文章です。ただ作り方を書いているだけなのですが、その合間合間に、こんもりと、ふんわりと、さっくりと、ザッザッと、くったりとなど、その手つきが見えてくるような表現で書かれています。私はそこにうっすらと料理への愛がみえるような気がするんです。うっすらというのは、なんというか、押し付けがましくないというか、料理に甘えてないというか、一つ一つの手順に責任感のようなものが見えるという感じでしょうか。全面に愛が見えるのはまた違って、とてもいい距離感の愛という意味でうっすらです。料理を信頼していて、更に料理からも信頼されているという感じがします。本の題名が潔く「料理」なのも分かる気がします。この本は読み物としてもすごく良い本だなぁと思います。特に、一番最初と一番最後の言葉がすごくいいなと思います。まったく逆の行為を料理という言葉にしているその表現力が本当にすごい。この言葉に挟まれた料理たちを私は無条件ですごく美味しいものだと思います。
もしこの本を、手にしたら是非じっくりゆっくり読んでみてください。

とても美味しく出来たので、味つけ卵の作り方を忘れないように、しばらくは味つけ卵を作り続けようと思ってます。こうやって、味つけ卵が私の一部になっていくのかと思うととても嬉しいです。

皆さんも、作ったことのない料理を、料理本をみて作ってみてはいかがでしょうか?とても楽しいし、何より食卓が豊かになります。
私は、次は何を作ろうかな。マッシュポテトとか食べたいな。

2016年2月1日月曜日

now, i'm reading this book. 5




こんにちは。古本屋「BOOKBOOKこんにちは」です。
もう開けてひと月経つので、なんですが、あけましておめでとうございます。
1月は本当にいろいろあって、ぼんやりもしていたのですが、忙しくもあって、長かったような、短かったような、停滞していたような、ごにょごにょごにょ…というような歯切れの悪い月でした。でも印象深い月でした。

1月は割とたくさん本を読む時間があって、意図した訳ではないのですが、シリーズ物をよく読んでます。あと、すごく珍しく推理小説を読んでます。
私は、普段あまり推理小説を読みません。嫌いな訳ではないのですが、あまり手にとらないです。なんでだろうと考えたところ、時間がかかる。あんまり面白い作家を知らない。そして、平和大好き人間なのだからだと思います。
推理小説は、事件が起きて、その事件の謎を解いていく。というのが基本的な流れですよね。なので、推理小説にはある程度のページ数が必要になると思います。(短い話ももちろんあると思いますが)そして、謎が出てきたら、それを解きたいと思うのが、人の恒。じっくり読む事になります。結構真剣に。私は、いつも流し読みみたいな読み方で本を読むので、ちょっとぼんやりすると全然頭に入ってこなくなってしまいます。だから、いつもの読み方より少し気合いを入れた読み方をしなくてはいけないので、結果いつもより時間がかかるのです。そんな訳で、読む機会が他のジャンルより少ないので、面白い作家を知る機会も少ないという訳です。
最後の平和大好き人間というのは、まぁ、そのまんまで人を殺した!とか、なんで?とか、どうやって?とか、そういうのは好きじゃないのです。推理小説もそんな単純じゃないんでしょうが、まぁ、しかし、そんな理由から私はあまり推理小説を読みません。

でも、どうしても気になってしまう推理小説のシリーズ物があって、今、それを読んでいるところです。

笠井潔 著「青銅の悲劇」です。
これは矢吹駆シリーズの日本編第一作です。知らない人からしたら、なんのこっちゃって感じだと思います。私がなんで矢吹駆シリーズを読むようになったかというと、ある本の中にこのシリーズの中の一冊が出てきたからです。私はその本を割と頻繁に読んでいたので、その都度「笠井潔」という名前を見ていました。ある時、図書館で笠井潔さんの本を探して借りてみることにしたのです。
そしたら!なんと!面白かったんです!何が面白かったのかというと、一つは登場人物。矢吹駆シリーズなので、もちろん矢吹駆という人が出てきます。そして、ナディア・モガールという好奇心旺盛の女の子が出てきます。早い話が、この二人のことを好きになったんです。ナディアはいい子だし、駆はなんか訳が分からなくてすごい気になる。脇役のおじさんたちもいい味を出していて好きです。小説なので登場人物が魅力的なのは当たり前といえば当たり前なのですが、彼らは私好みの人たちということなのです。
そして、もう一つ。このシリーズの面白いところは、謎の解き方です。ここで聞き慣れない言葉が出てくるんです。「現象学」です。私はうまく説明出来ないので、申し訳ないですが、Wikipediaに頼ります。こちら! 難しいです。ちんぷんかんぷんです。矢吹駆はこの現象学を使って、殺人事件の犯人を割り出すのです。いやはや。ちんぷんかんぷんなりに、駆の言っていることを辛抱強く読むと、へーっなるほどね!となるんです。そんな考え方があるのか!と、そんな考え方を使って謎が解けたのか!みたいな。これが、面白いです。

と、ここまで書いてあれですが、この青銅の悲劇には矢吹駆が全然出てきません。(ナディアが下巻でやっと登場するのですが、駆は出てこない!)そして、主人公のおじさんに全然惹かれません。あと20ページくらいで読み終わるのですが、なんだか不完全燃焼です。

と思って、今、笠井潔さんをwikipediaしたら、読んでない矢吹駆シリーズが何冊かありました。あぁ、良かった…。
シリーズ物ってなんだか、いいですよねぇ。しかも、シリーズものの登場人物が好きって最高じゃないですかー。

さぁ、皆さんも寒い日にはこたつに入ってレッツ読書!です!