こんばんは。古本屋「BOOKBOOKこんにちは」です。
ついに梅雨は開けたのでしょうか。今日の夕立はすっかり夏の夕立でした。
最近、読んだことのない作家の本や勧められた本を読んでいます。そんなわけで、初めての作家さんの本をたくさん読んでいます。どの本も面白いです。
今は、ものすごく有名な古典文学、マーガレット・ミッチェルの「風と共に去りぬ」を読んでいます。今からちょうど80年前に出版された長編小説でアメリカの南北戦争の頃の話です。
私の両親は、ともに読書家で小さな頃から本が生活の中にある暮しでした。そのおかげで私は小さい頃から本の虫でした。でも、これまた小さな頃から偏屈で両親に勧められた本を素直に読むような子どもではありませんでした。そのせいか、児童書はほとんど読んでいません。有名どころの古典もほとんどと言っていいほど読んでいませんでした。古典を読み始めたのは二十歳を過ぎてからです。本当に素直さのカケラもない子どもでした。
そんな私が、なぜ「風と共に去りぬ」を読み始めたかというと、少し前に本好きのご夫婦と話をしていた時に、「風と共に去りぬ」が面白いという話になったのです。
へーっと思いました。それまで、本の話をしていて、なんとなく好きな作家の傾向が同じだったので、ここで「風と共に去りぬ」が出てくるとは思わなかったのです。映画も有名ですが、私は映画も見たことがないです。「風と共に去りぬ」かぁ…。と思いながら、なんとなく外国の作家のものは短編ばかり読んでいたのですが、もう一度「風と共に去りぬ」は面白いという話題になりました。
何が面白いかというと人間関係が面白いというのです。南北戦争前の南部といえば奴隷制度がまだあった頃です。奴隷といえど、大きな農園を持っている一家の奴隷となると相当なプライドを持っていたとか、プアホワイトと呼ばれる奴隷を持てないような白人を奴隷たちは見下していたとか。一家の主人、子ども、それぞれの奴隷との関係性。北部の人間をヤンキーと呼んで軽蔑していること。男尊女卑の社会。それを疑問に思わない女の子たち。まだ本当に読み始めたところなのですが、すでにかなり興味深いです。
差別をするのが当たり前の世界。差別し、見下し、受け入れない。例外はない。
19世紀までは村の規範に従うのが一番重要なことで、普通の人の人生に目標を立ててそこに向かって努力するというものの考え方なかったそうです。そういった考え方が出て来たのは20世紀になってからだ。という記事を読んだことがあります。
「風と共に去りぬ」は、全ての人が夢を持ってそこに向かうことが出来るということを知らない世界から話がスタートしています。
この本を薦めてくれた人が、奴隷解放を謳い南北戦争が行われ、奴隷は解放されたが、それが当時の奴隷たちにとって本当に良かったことなのか一概にはいいとは言えないと思う。と言っていました。
80年前に書かれた「風と共に去りぬ」、まだまだスカーレットがのんきに饗宴で男性に囲まれつつ、好きな男性のことでやきもきしているところです。これから、スカーレットの人生、そしてアメリカに何が起こっていくのか。そして、読み終わった時、自分がどんなことを思うのか。楽しみです。思いのほか長編なので、夏の間ずっと読んでいると思います。
みなさんも、Let's enjoy summer reading!夏の読書を楽しんでくださいねー。