2016年2月4日木曜日

作ったことのない料理を作ってみる




こんにちは。古本屋「BOOKBOOKこんにちは」です。
先日、初めて味つけ卵を作ってみました。
世の人々は味つけ卵を母親や祖母など、台所を仕切っている人から習うのでしょうか?
私は、本から習って作ってみることにしました。

私はあまり食に情熱がないので、とりあいず食べられればいい。最悪食べない。という人間です。なので、ささっとある物で何か美味しい物を作るということは、少し遠い世界です。しかし、もちろん美味しいものは大好きですし、食べる物で人は出来ているのも知っているし、美味しいものは、美味しいというだけですごい価値があることも分かるので、美味しいものが作りたいなぁとたまには思う訳です。

そして、今回、私が美味しく作りたいと思ったものは味つけ卵でした。味つけ卵が好きなんです。ラーメン屋さんに行ったら大抵味つけ卵が乗っているものに目が行きます。駅のおにぎり弁当も味つけ卵だとテンションがあがります。味つけ卵があったらご飯のおかずはそれだけでもいいです。味つけ卵って本当になんだか、良いですよね。あのころんとしたフォルム。しっかり染み込んだ証のなんとも言えない薄茶色(?)。よだれが出ます。

そんな味つけ卵から、本の話です。
世の中には料理本が本当にたくさんあって、大抵の本屋さんには料理本コーナーがあり、新しい料理本もどんどん出ています。当たり前なのですが、レシピ通りに作るとすごく美味しく出来上がります。なんだかそれだけで、料理本ってすごいと思います。美味しく作れる分量、手順、ポイントが書いてある本。本当にすごいと思います。

しつこいですが、私は料理に対して情熱的な人間ではありません。なので、そんなにたくさんの料理本は持ってません。ですが、たまには料理本を見て料理をすることもあります。
今回の味つけ卵は、高山なおみさんの「料理」という本を見て作りました。きちんと材料を計って、タイマーを使い作りました。すごく美味しく出来ました。

高山なおみさんは料理家でもありますが、文筆家でもあります。この「料理」という本には、レシピの他にたくさんの文章が入っています。エッセイのような少し長めのものもあるし、詩のような短い文章もあるし、レシピの始まりに書かれたその料理の短い説明の文章。そして、作り方の文章。それぞれとても素敵な文章です。印象的なのは、作り方の文章です。ただ作り方を書いているだけなのですが、その合間合間に、こんもりと、ふんわりと、さっくりと、ザッザッと、くったりとなど、その手つきが見えてくるような表現で書かれています。私はそこにうっすらと料理への愛がみえるような気がするんです。うっすらというのは、なんというか、押し付けがましくないというか、料理に甘えてないというか、一つ一つの手順に責任感のようなものが見えるという感じでしょうか。全面に愛が見えるのはまた違って、とてもいい距離感の愛という意味でうっすらです。料理を信頼していて、更に料理からも信頼されているという感じがします。本の題名が潔く「料理」なのも分かる気がします。この本は読み物としてもすごく良い本だなぁと思います。特に、一番最初と一番最後の言葉がすごくいいなと思います。まったく逆の行為を料理という言葉にしているその表現力が本当にすごい。この言葉に挟まれた料理たちを私は無条件ですごく美味しいものだと思います。
もしこの本を、手にしたら是非じっくりゆっくり読んでみてください。

とても美味しく出来たので、味つけ卵の作り方を忘れないように、しばらくは味つけ卵を作り続けようと思ってます。こうやって、味つけ卵が私の一部になっていくのかと思うととても嬉しいです。

皆さんも、作ったことのない料理を、料理本をみて作ってみてはいかがでしょうか?とても楽しいし、何より食卓が豊かになります。
私は、次は何を作ろうかな。マッシュポテトとか食べたいな。

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